No.112 (南北戦争)  : 

「南北戦争は米ををどう変えたか?」

南北戦争は北部の勝利に終わり(1865年)、黒人は奴隷ではなくなったが、
その多くがシェアクロッパー(分益小作人)となった。しかし大西部開拓
も進展し、これに伴い大陸横断鉄道も完成した(69年)。さらに共和党政
権の保護政策や移民の労働力もあって重・化学工業が発展し、アメリカ合
衆国は世界一の工業国となった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

「勝てば官軍」の北部による命名では the Civil War 「内乱」だが、「負
ければ賊軍」の南部では現在も the War between States 「諸州間の戦争」
と呼ばれている南北戦争に、大きな関心を持ちながら学習に臨んでいる。

思考・判断:

南北戦争は合衆国を、自由主義と資本主義によって統一したという大きな意
義を持つことを考察しながら、戦争が終わった19世紀後半からの合衆国の経
済的飛躍について、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
奴隷身分から解放されたとはいえ多くがシェアクロッパー化した、黒人系ア
メリカ国民の様子を伝える資料を有効に用いながら、時代状況の視覚的把握
に努めている。

知識・理解:
南北戦争の結果、安価な労働力としての大量の黒人労働者を北部の工業地帯
に供給したことを一つの要因として、19世紀後半には重化学工業部門でイギ
リスを追い越し、合衆国が世界一の工業国となることについて、基本的な知
識を身につけている。